冬学期全体の振り返り
あっという間に冬学期(留学して3学期目)が終わりました。西海岸とはいえ冬はあり、さすがに半袖短パンでは過ごせなくなり、長袖を着る機会が増えました。
秋学期と比べると、グループワークやプレゼンテーションを課される授業が多く、日々の負荷は大きかったものの、テストが実施される科目が少なかったため、試験期間はそれほど大変ではありませんでした。
冬学期は子供の出産を控えていたこともあり、ソーシャルな活動は控えめにし、学業とプライベートを優先しようと考えていましたが、おおむね想定通りのバランスで過ごすことができたと思います。何より、米国で病院に通い、妻とともに出産を乗り越えるという経験は大変でしたが、家族の絆をより深めるきっかけになったと感じています。
学校全体の雰囲気としては、多くの学生が夏休みの過ごし方、つまりインターンシップ先について進路を決め、ソーシャル活動が再び活発になっている印象でした。ただ、インターナショナル生にとっては厳しい状況が続いており、まだ何も決まっていないという人も珍しくありません。MBAとはいえ、市場のタイミングやバックグラウンド、本人の熱量や英語力によって、明暗が大きく分かれると実感しました。
授業 & 学びのハイライト
冬学期で特に印象的だった授業はインパクト投資でした。この授業は前学期から通年で履修していた選択科目ですが、私は今回初めてインパクト投資に触れたため、とても新鮮な学びがありました。前職で少し投資業務に関わっていたものの、基本的には経済的利益を最優先にリスクリターンを検討してきました。一方、インパクト投資は経済的リターンと社会的リターンの双方を追求する投資スタンスであり、その独自の難しさを痛感しました。たとえば、経済的に理にかなっていても、それだけでは投資実行には至らず、逆に社会的に大きな意義があっても、慈善事業ではないため投資対象にはなりません。
また、授業を受けている学生層は、VCやPEに関心のある金融バックグラウンドの学生と、環境問題や教育格差の是正といった社会的インパクトに情熱を持つ学生の二極化が見られました。金融バックグラウンドの学生は財務分析やモデリングに強みを持つ一方、実際に投資検討先とコンタクトを取り、デューデリジェンスを進める過程で、ベンチャー企業のカオスな実態に嫌気がさし、次第にモチベーションを失っていくケースが少なくありませんでした。一方で、ソーシャルインパクトに関心のある学生は、投資のリスクリターン分析に課題を抱えることが多く、両方のスキルをバランスよく持ち合わせた人材は非常に希少であり、市場でも高く評価されることがわかりました。
授業の一環で多くのインパクト投資を専門とする機関投資家とネットワーキングする機会がありましたが、実感としては金融出身者が多い印象を受けました。
就活・インターン活動
冬学期は、コンサルやIB(投資銀行)志望を中心に、さまざまな業界でインタビューの結果が次々と判明する時期でした。周囲の学生の様子を見ていると、感覚的な話にはなりますが、「この人は優秀だな」と思っていた学生は、やはり複数社から内定を獲得していました。一方で、普段のアサインメントのクオリティや取り組む姿勢に疑問が残るような学生は、あまり良い結果を得られていない印象でした。もちろん因果関係があるかは分かりませんが、個人的には納得感のある結果が多かったように思います。
また、日本以上にネットワーキングの重要性を実感しました。レジュメの内容がやや見劣りしていても、積極的にネットワーキングを行い、リファレンスを得ていればインタビューに進める可能性が高まりますし、インタビュー後の結果にも大きな影響を与えます。逆に言えば、純ジャパだからといってネットワーキングを避け、単にオンラインの応募フォームからエントリーするだけでは、正直なところ内定獲得は厳しいと感じました。
また、日本企業では、たとえ外国人であっても日本語が完璧でないと面接で落とされるケースが多いイメージですが、米国では言語に対する許容度が比較的高いと感じました。もちろん、問題なく意思疎通できるレベルの英語力は必要ですが、細かい文法ミスや表現のナチュラルさに関しては、特にMBA生が応募するポジションではそこまで厳しく見られていない印象です。一方で、インターナショナル生にとってはビザの問題が大きな壁となっていることも実感しました。特にトランプ大統領の就任が決まり、ビザ関連の状況が不透明になる中で、多くの企業が「わざわざリスクを取ってまで留学生を採用する必要があるのか?」と慎重な判断を下しているようでした。
課外活動 & ソーシャルライフ
今学期は、課外活動、特にソーシャルライフを控えめにしていました。私自身は特に話せるエピソードはないのですが、周囲では春休みにいくつかの国への旅行が企画されており、とても楽しそうでした。夏のインターン開始までは、多くの学生が一旦小休止モードに入り、リラックスして楽しもうという雰囲気が漂っています。
また、今学期は各クラブの世代交代の時期でもあり、代表や副代表などの役職が2年生から1年生へとバトンタッチされます。さすがMBAというべきか、基本的に各ポジションは自然と立候補者が現れて埋まっていきます。もちろん、リーダーシップを発揮したいという意欲もありますが、それに加えて、レジュメに書けることや、役職に就くことで上級生や同級生とクローズドな情報交換ができるというメリットも大きいようです。
私自身も、所属しているインダストリークラブの役職への立候補を考えましたが、育児にどれほどの時間を割く必要があるか見極める必要があること、また、仮に時間に余裕があったとしても自分自身がリラックスする時間を確保すべきだと判断し、最終的には立候補しませんでした。
まとめ & 春学期への抱負
冬学期を振り返って、自分が成長できたと感じるのはプレゼンテーションのスキルです。今学期はプレゼンテーションをする機会が非常に多く、そのおかげで英語での発表に対する過度なプレッシャーを感じることがなくなってきました。
一方で、反省点としては、一部の授業で早々に興味を失い、流して受けてしまったことが挙げられます。予習もおざなりになり、その結果、授業の理解度が低く、発言の機会もほとんどありませんでした。せっかくMBAという環境にいるのに、恥をかいたとしても失うものはないはずなのに、もったいないことをしてしまったと感じています。
春学期は、たとえ興味がないと感じる授業でも、何とか食らいついて有意義な時間を過ごせるようにしたいと思っています。また、少しずつソーシャル活動にも参加していきたいと考えています。
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