MBAで学んだ不動産投資10箇条

MBA生活

さて、ようやく秋学期も終わりつかの間の冬休みを満喫しています。社会人時代と比べると冬休みが長いし、年末にまでにここまでおわらせなきゃ、とか年明け早々Dealが控えていてそもそも年末休暇がない、なんてことにはならず、久しぶりに本当の休みに入っています。私は日本に戻る予定もないし、周りは各国に帰国したり旅行に行ったりしているので、本当に時間がたっぷりあります。休みに入る直前は読みたかった本を読みまくる、見たかったNetflixを見まくると意気込んでいましたが、初日からインフルエンザを罹患してしまい、1週間は寝込んでしまいました、、、
さて秋学期の体験をブログに残しておこうと思っていますが、初回は不動産投資の授業のまとめを書いていこうと思います。私の通っているMBAには珍しく不動産投資で有名な名物講師がいます。バックグラウンドが不動産とは関係ない学生もこの教授の授業は受講希望者が多く、毎回抽選になっているようです。秋学期もご多分に漏れず抽選が発生したようですが、私の場合はバックグラウンドや所属しているクラブが不動産関連だったこともあり、教授とネゴシエーション(実は夏学期のオリエンテーションの時期から教授の連絡先を学生課から聞き出して直接メールしてアピールしていました)した結果、抽選なしで受講確定を勝ち取ることができました。さすが米国、何事も交渉してみるものです。

授業の内容

教授は新卒で投資銀行に行った後、個人投資家として現物不動産投資で富を築いた経歴の持ち主です。本人もMBA卒業していて、本業不動産投資、かたわらMBAで講義という感じみたいです。
授業自体は不動産の基本事項から米国の法規制、投資スキーム、CFの組み方なんかをやります。日米の共通項と異なる事項を学ぶことができてよかったです。授業自体は結構なスピードで進んでいくので(授業スタイルはマシンガントークタイプ)、不動産について全く知らない同級生は苦戦している人も少なくありませんでした。また、やはり米国自体の知識、例えば〇〇州はどんなところか?や、sqfなどの単位(日本でいうところの坪単価)、Caprateの相場観になじみがないので、計算自体は合っていても自分の答えに自信が持てない場面が多くありました。

不動産投資10箇条

授業の中で教授が強調していた不動産投資10箇条が個人的に好きだったので、まとめてみたいと思います。

①Market cycle
キャピタルマーケット全体、不動産マーケット全体のトレンドを見失わないこと。個々の案件を常に検討していると、全体観を考慮することを忘れがちになる。大きなマーケットの波には逆らえない。常に大局観をもっておくこと。
②Leverage
レバレッジは諸刃の剣。大きなリターンの源泉にもなるが、損失リスクも大きくなる。適切なリスクテイクになるように、バランスを見極めること。
③Deal Sourcing
常に積極的に案件情報を取りに行くこと。不動産投資の利益源泉は不動産を買って、売却すること。待っていても始まらない。何もしなければ損失は生まれないが、利益も得ることはできない。適切なリスクをとることを恐れてはいけない。
④Down side protection
ダウンサイド分析では、リスクを発見する、数値化する、緩和策を検討するの3ステップを踏むこと。投資を運任せにせず、コントロール可能な箇所は適切な処置を施す。
⑤Market inefficiency
不動産マーケットは必ずしも透明性が高いとは言えない。情報のアービトラージが存在し、それがリターンの源泉にもなるし、リスクの種にもなりうる。ローカルコミュニティの情報の輪に入ることを意識すること。もし今現在直接的なつながりがないのであれば、コミュニティに入るべく努力すること。その際には、自分が情報の受け手としてどのような価値をコミュニティに提供できるかを示せるようにしないといけない。
⑥Portofolio Management
ポートフォリオ管理を適切に進めることで、リスク分散を図れる。一発勝負をすれば一攫千金の可能性は高くなるかもしれないが、ミスした時の落下速度も早い。
⑦Time and Risk
ファイナンスは常に時間とリスクの概念を含む。一見数字上のリターンが良く見えても投資効率が悪い(リターンの実現に時間がかかる)場合には、必ずしもいい投資とは言えない。
⑧Real Estate is a local game
不動産投資はスプレッドシートとにらめっこしているだけでは成功しない。現地に足を運んで、情報を仕入れ、DueDeligenceをしてリスクを調べることが大事。
⑨Common Sence
数値分析や大量の資料の精査も大事だが、投資判断において直感的に感じる違和感も大事。もし直感的に違和感があれば、その違和感は大事にした方がいい。
⑩Real Estate can be a hassle business
成功するにはそれなりの時間を投入する必要がある。メンター等を通じて過去の事例や悩みを相談できるようなつながりを大切にすること。それが時間の節約につながる。

まとめ

不動産投資の授業は毎回面白かったのですが、この10箇条はよくまとめられていて好きなものです。他の投資アセットと比較すると、まだまだアービトラージが存在するし、自分だけが知っている情報というのがリターンの源泉になるというのが投資の原則でもあるし、不動産投資の場合それらをどのように拾っていくか、というのも面白いと感じました。

MBAで不動産関連のキャリア、授業は決して多くはないので、もし興味がある人がいたら気軽に連絡いただければと思います!

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