【海外MBA受験】どのラウンドで出願するべきか【出願戦略】

MBA受験

大学によって受験のスケジュールやプロセスは異なるものの、多くの海外MBAプログラムは、1stラウンドから3rdラウンドの合計3回にわたってエントリーのチャンスがあります(ただし、一度不合格になった場合には他のラウンドには出願できません)。1stラウンドは9月~10月が多く、3rdラウンドは3月以降に設定されていることが多いため、出願までの時間には大きな差があります。

日本人の合格者ボリューム層は2ndラウンドといわれていますが、よくコーヒーチャットなどで聞かれる質問として「どのタイミングで出願するのがよいですか(有利ですか)」というものがあります。

結論としては、1stと2ndに有利不利はなく、3rdは状況によって不利になるかもしれません。したがって、1stか2ndのタイミングで、あとは自分が納得いくスコア・エッセイが仕上がったタイミングで挑むことがベストです。しかしながら、完全に何も考慮しなくていいわけではありません。今回は4つのポイントに絞って、検討すべき事項を記載していきます。

出願準備の完成度

出願書類や推薦状、エッセイ、GMAT/GREスコアなど、アプリケーション提出までのすべての準備が整っているか、自分の完成度・立ち位置を振り返りましょう。準備が不十分なまま早期ラウンドに出願するよりも、時間をかけて完成度を高め、後のラウンドで質の高い出願をする方が確実に良い結果につながると思います。よほどのバックグラウンドを有さない限り、どうしても最初のふるいはテストスコアで選別されるでしょう。

学校によっては出願後のスコアのアップデートを受け付けているところもありますが、もし1stラウンドに出願するか迷っているのであれば、焦らずスコアメイクに集中して、2ndでの出願をお勧めします。ただし、もしあなた自身のバックグラウンドが戦略コンサルティングファーム、投資銀行、PEファンド、商社といった日本のキラキラ業界出身(ここでは、よくMBAで見かけるボリューム層という趣旨)であれば、ラウンドのタイミングは気にする必要があまりありません。しかし、そうでないなら(例えばメーカーやエンタメ業界など)、スコアに自信がなくとも1stで出願した方が良いでしょう。詳細は次のポイントで説明します。

競争率

次に検討すべきなのが、自分のバックグラウンドとの兼ね合いです。MBA受験は残念ながら完全なフェアな戦いではありません。スコアやエッセイの内容の他に、当然コネクションや学校が欲しているキャリアバックグラウンドなど、自分ではどうしようもない事項も存在します。

ここで出願時期に影響してくるのが、「自分と同じキャラクターが他にもいるか」という点です。MBAの合格は、ドラゴンクエストのパーティーを決めるような考え方をします。先ほど述べたように、パーティーの核となるようなファイナンス、コンサル出身者を多く獲得した後、バラエティ枠として他のマイナー業界を取っていきます。例えば、私が不動産バックグラウンドだとして、日本人×不動産というのが学校から見た私のキャラクターになります。海外MBAにおいては決してメジャーではない経歴ゆえ、日本人×不動産のカードを持つキャラクターは各学校に一人いれば十分という枠の取り合いになります。

また、ここでは不動産を例に出しましたが、マイナー業界出身の場合、そのバックグラウンドに多少強みを持った学校を選ばないと、エッセイやインタビューで苦しくなるため、結局同じキャリア属性を持つ人は同じような学校に出願しがちになります。もしライバルが1stラウンドで合格を勝ち取ってしまうと、いくら2ndラウンドで魅力的なエッセイを出したところで、入り口の段階でふるいに落とされる可能性が発生してしまいます。

この点において、自分のキャリアバックグラウンドにおける座席数というのを頭において出願時期を定める必要があります。

仕事とのタイミング

個々のスケジュールや状況(例えば仕事の繁忙期や個人的な事情)も考慮に入れる必要があります。私の経験から言いますと、1校出願するだけでも相当の時間がかかります。いわゆるエッセイとして出題される数問の他に、実際にアプリケーションを進めていくと、ミニエッセイがたくさんある学校も存在します。ミニエッセイとはいえ、自分の魅力を最大限にアピールする必要があるため、手は抜けません。

同時に、アプリケーションを提出したらすぐに面接インビテーションが来て、2週間後にはインタビューがある学校もあります。そのため、結果を待たずに出願したらすぐに面接練習を開始する必要があります。また、学校によって上司からの推薦状の形式も異なるため、それらの準備もかなり神経を使います。特に私費生の方は、受験への配慮などが皆無のため、深夜まで働いた上でこういったアプリケーション提出への細部の準備を進めるのは、かなり肉体的にきついものがあります。

もし、繁忙期がある程度予想できるような職種の方であれば、それをベースに出願時期と出願数を決めた方が良いと思います。

複数校への出願計画

一つの学校に絞らず、複数校に出願する場合は、それぞれの学校の締め切り日や出願ラウンドのスケジュールを考慮して計画を立てる必要があります。どの学校を第一志望とするか、第二志望とするかを明確にし、それに基づいて各ラウンドの出願戦略を立てると良いでしょう。

私の場合、第一志望群の学校が一番最初にインタビューまで進んでしまい、かなりの緊張感の中で挑む必要がありました。今思えば、きちんと各学校の面接プロセスまで調べ、先に第二志望群の学校からインタビューを経験できるように計画を立てればよかったと思っています。また、1stではお試しで1校だけ出すのも良いかもしれません。先ほど述べたようにアプリケーションを開いてみると、ショートエッセイやGPAなど、細かな準備事項がたくさんあります。全体の流れをつかむという意味で、一校経験してみることが、2ndに向けて良い状況を作れると思います。

これらのポイントを考慮し、最適な出願タイミングを見極めてください。成功を祈っています!

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