留学前のIELTSスコアは7.5
以前、留学2ヶ月経過時点で英語力がどのくらい成長したかを振り返った記事を書きました(記事はこちら)。あれから何とかMBAの1学期間を乗り切り半年を米国で過ごしたので、自分の英語力の成長を改めて振り返ってみたいと思います。
前提
まず留学前の私のIELTSのスコアはOAで7.5でした。Reading(9.0)で稼ぎ、Listening(7.0)、Speaking(7.0)は普通、Writing(6.0)はボロボロ、というスコア内訳です。米国MBAに合格する層としてはおそらく下位のレンジにいると思います。留学2ヶ月経過時点で、自分が留学前に想像していたよりも英語力の成長ができていないように感じ、焦りを覚えました。そこから留学中ではありますが、オンライン英会話を再開したり、受験時同様にインプット(具体的には単語帳)の時間を割いたりと、少しではあるものの自学の時間をとるようにしました。また、英語力の伸びが少ないまま気づけばMBA生活の4分の1を経過しているという事実に不安を感じたため、先輩方の体験記を拝見させていただき、同じような悩みや自学内容のヒントを得るための参考にしました。例えばこちらの方のNoteは私が感じていることと近い感覚が具体的に言語化されていて、大変参考になりました。
英語の伸び
今回も前回の振り返りを踏襲して4技能を☆で表現していきます。☆=ほとんど実感なし、☆☆☆=かなり成長を実感というクライテリアになります。
Reading(☆☆☆)
2ヶ月目の時点でかなり成長を実感していた点ですが、半年経過後もかなり成長を感じます。これは、留学の中でも特にMBAという点が聞いているかもしれません。授業ではケースと呼ばれる授業で扱う企業やテーマに関する読み物を事前に大量に読み込んでいく必要があるため、必然的に大量の文に継続的に触れていきます。また、当然だらだらやっても自分の時間が削られていくだけなので、自分自身で早く正確に読んでいくように意識するので、能力を伸ばすには最適な環境が自然と形成されています。また、2ヶ月目から追加で感じている成長として、調子の波がなくなってきたというのがあります。留学前のIELTSの勉強などでも感じていましたが、Readingは”ゾーンに入る”感覚が生じるときがあります。ゾーンに入った時は、英語を頭から語順通りスムーズに読むことができ、一定のスピードで読み返すことなくすらすら頭に入ってくる状態です。その感覚がわりと高頻度で発生するようになってきました。そうすると、英語の文章を読むということに抵抗感がなくなり、もっといえば文章を読むことが楽しくなる(英語の文章を理解する作業という状態から書いてあることを自分の頭で考えるという状態にステップアップ)感覚がでてきました。
Listening(☆☆)
Listeningの伸びはまあ予想どおりかな、という感じです。留学から6か月後の今の状態としては、ちゃんと集中すれば授業やプレゼンの内容はだいたいわかる(集中していない・ながら作業で聞くと一気に理解度は下がる)、ネイティブの輪の中に入って日常会話やディスカッションする場合はまだまだかなり厳しい、という感覚です。渡米直後からリスニング力は向上している気はしますが、それは聞き取れている情報量が多くなったというよりは、こういう状況の時にはこういうことを言われることが多いとか、こういう単語の後にはこういうフレーズが続くことが多いという経験則ができてきて、それによってある程度予想ができ、リスニングができるようになったという表現が正しい気がします。決してリスニングそのものが向上しているというわけではありません。この点、やはり本当にリスニングを上げるためには、自分でディクテーションなどを行いリスニングの勉強時間を確保しないとダメな気がします。日常のリスニング、特に授業などの一方向のリスニング場面では、たとえ間違って理解をしていても正誤確認をするわけではないので自分の間違いを修正する機会にはなりません。
Writing(☆)
正直に記録すると、ライティングはほぼ伸びていません。唯一伸びたなと思えるのは友達との気軽なチャットにおいては、自分の言いたいことをすらすらと書けるようになってきた、という点くらいです。
文章を書く機会が少なかったわけではないのですが、やはり校正にはChatGPTを使ってしまうので、いつまでたっても自分の能力の向上にはつながりません。頭ではAIを使うことの意味のなさ、不毛さを理解しているのですが、MBAで様々なイベントや活動に手を出している中、翻訳・校正を使わずに文章をかくと3倍は時間かかるので、ついつい頼ってしまいます。いや、もう完全にいいわけですね。。。同級生の中には、意地でもAIは使わないで乗り切ってやる!と強い覚悟をもって臨んでいる人もいて、深夜まで課題に取り組んでいるという話も聞くので、自分の意志の弱さが最大の敵です。
Speaking(☆☆)
Speakingは2ヶ月時点ではあまり成長を感じませんでしたが、半年経過時点の今では成長を感じています。これまでは非常にシンプルかつ短い文でしゃべることが精一杯でしたが、熟語やスラングを混ぜたり、長い文章を話すこともできるようになってきました。これは①失敗を恐れずに場数をこなしたこと②ケースコンペ等のプレゼン機会を乗り切ったことの2点が大きかったと思います。特に1点目、最初の学期ではリスニング力も低かったので授業中に手を挙げて質問なんて考えられませんでしたが、後半の学期では結構な頻度で質問をすることができました。やはり人前で下手な英語を披露することは恥ずかしいですし、抵抗感はありますが、そこは勇気をもって進めた自分を褒めたい部分です。
英語の悩み
2ヶ月経過時点では①英語を話すことへの抵抗感②調子の波がネックでした。①については、英語を使うことは日本語と比べて体力の消耗が多いですが、最初の頃の抵抗感の具合はだいぶ軽減されたと思います。調子の波についても、まだまだ日によって感覚は異なりますが(英語がすんなり頭にはいってきて、口からもスムーズにでる日もあれば全然ダメな日もある)、当初と比べればその振れ幅や不調の頻度は改善されてきました。意識して何かを練習したり訓練したわけではないので、やはり慣れや経験の蓄積によるところが大きいと思います。
一方で、半年たった現在感じる課題は英語を理解しながら会話の内容を考えるという点です。たとえば、英語で誰かとディスカッションしているとき、今の私の力では、相手が話しているときは、その内容を聞く、理解することに精一杯で自分の意見を考えることは同時並行ではできていません。なのでリアルタイムでのディスカッションの場合、私だけワンテンポ遅れてしまいます。プレゼンもしかりで、日本語の場合話しながら次の内容について頭で考えて、シームレスに次々と発表を行うことができて、スムーズに話し続けられますが、英語だとそれができません。
現在の自学内容
インプット
やはり単語そのものをいかに知っているかという点は英語能力に大きく寄与する部分であると感じているので、引き続き単語帳を使って新しい単語のインプットを続けています。現在は英検1級受験向けのものを使っていますが、GMATの勉強中に出会った単語が半分は占めるので、難易度的にはちょうどいい気がしています。
また、就活やインターン対策としてビジネス場面で使うフレーズ集をまとめてくれている参考書もときどき眺めています。
英会話
MBA留学では思ったよりアウトプットの時間は少ないです。普段の授業は1コマ90分~180分ありますが、途中でディカッションがあったり自分で手を挙げて発言をしても、せいぜい英語を話している時間は5分程度です。そのほか友達との日常会話などを含めても平均して30分話しているかどうかだと思います。そのため、アウトプットの時間確保という意味で、Camblyでオンライン英会話をしています。Camblyは他の英会話サービスと比較すると少々値が張りますが、その反面ネイティブ講師とのレッスンを受けれます。IELTSレベルの対策であれば非ネイティブとの会話で十分(それよりもとにかく話す時間を確保する方が大切)でしたが、いまはどれだけネイティブと話す時間を確保するかが大事な気がしています。
発音
引き続きELSAというアプリで練習をほぼ毎日10分ほど行っています。正直各段の向上の実感はありませんが、逆に体調不良などで1週間くらいさぼってしまうと、一気に発音が下手になっている感覚があります。ということでELSAをやる意味はあると思ってこれからも続けていく予定です。
まとめ
MBA留学半年間で劇的に英語力が伸びることは私の場合ありませんでした。また昨今はAIサービスも充実しているため、自分の意志でどれだけ自分自身を厳しい環境におけるかという点も英語力の成長に関係してきます。また、留学に来たからといって、実はそれほどアウトプットの時間が増えることはなく、やはり留学中も継続的な自学自習が大切になってきます。これはこれからの自分への戒めですが、勝手に能力が上がるという幻想は捨てて日々コツコツを努力を続ける必要があります。
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