【実体験】IELTS7.5保持者は留学二ヶ月で英語力はどれくらい伸びたか?

MBA生活

MBA受験時の私のIELTSスコアは7.5でした。
正直、日本人というバックグラウンドであれば、この点数で足切りとなる学校はほぼありません(もちろん、GMATやResumeなど、その他の要素で面接に進めないことはありますが)。IELTS7.5を達成できた時の喜びは今でも覚えています。MBA受験という物差しを除いても、純ジャパで7.5のスコアは、英語学習者にとって一定の達成したい目安になると思います。

しかし、実際のところ、私は米国に来て初日でIELTSの7.5程度では到底太刀打ちできないと痛感しました。米国の空港には午前中に到着したので、Uberでホテルまで行き、荷物の整理をしてもお昼過ぎ。そこで私は、近くのスーパーマーケットに行くことにしました。水やスナック菓子などをいくつかカートに入れ、いざ会計へ進むと、なんと店員の話している内容が何一つ聞き取れなかったのです。「本当に英語なのだろうか?」IELTSであれだけリスニングを練習してきたし、面接対策も行ってきたのに……。これはある程度慣れの問題も関係していて、「こういう状況ではこういった内容が聞かれるんだな」とわかってくると、だいたいの内容は理解できるようになってきました。時間としては最初の2週間くらいでしょうか。

そして、ついにMBAのカリキュラムが始まりましたが、ネイティブ同士の雑談はかなり怪しいです。みんなが笑っているけど、どこが笑いのポイントなのかわからない。一人でむすっとしていても場を乱すだけだから、愛想笑いをするのですが、「お前はどう思う?」と話を振られるとかなりきつい。なんせ何も内容に追いつけていないのだから。「ごめん、何の話だっけ?」と聞き返さざるを得ないのですが、さっきまで一緒になって笑っていたのに、内容がわかっていなかったのかよと、相手からしたらかなり不気味なことでしょう……。

今回は、私自身の記録の意味も込めて、MBA受験を終えた人間が2ヶ月米国に留学したことで、英語力がどの程度変化したのかを記していきたいと思います。(2か月間の留学体験記はこちら

英語の伸び

4技能の成長を☆で表現していこうと思います。☆がひとつ=ほとんど実感なし、☆3つでかなり成長を実感、というクライテリアにします。

Reading (☆☆☆)
Readingはかなり伸びています。何が伸びたかというと、英語の文章を読むスピードと、長文を読むことに対する体力です。各授業ではケースといわれる事前課題の読み込みが要求されますし、当然授業のスライドも英語。練習問題やテスト問題も英語なわけですから、英語の文章を読むという時間が圧倒的に増加しました。また、授業中に文章を読んでその場でクラスメイトとディスカッションする場面も多々あるので、時間制限がある緊張感を伴う読解も経験します。その点で、文章を読むスピードが向上したと同時に、英語の文章を大量に読んでも、さほど頭の体力が削られないようになりました。例えば、日本にいるときは洋書を読もうとすると5ページも読めば気が散り始めていましたが、今では一章分を一気に読むことが可能です。

Listening (☆☆)
リスニングに関しては、確かに能力として向上していますが、期待していたより能力の伸びが遅い、という感覚です。先にも述べたように、2ヶ月経過したいまでも聞き取りが困難な場面にたくさん遭遇します。また、テスト勉強と日常会話の違いが悪い意味で出ていまして、日常会話の場合、すべての単語が聞き取れなくても、重要な単語(例えば疑問詞と動詞だけ)さえ聞き取れれば、前後関係と相手の表情からある程度の会話内容を予測できてしまいます。つまり、米国で日常をサバイブしていくためには、その要所要所の英単語をいかに聞き取れるかという能力に特化していき、決して言われている内容すべてがディクテーションできるようになる、というわけではない感覚です。この点に関しては、自分自身で補って勉強しなければ、おそらく留学生としてただ普通に学校生活を送るだけでは向上させることが難しい能力だと感じています。

Writing (☆)
ライティングですが、正直ほとんど伸びていません。これは自分自身に大いに問題があります。英語の文章を書く場面そのものはたくさんあるのですが、そのほとんどをChatGPTにチェックをかけています。もちろん、自分の書いた文章のどこに修正がかかっているかをきちんと確認すればいいのですが、大量の課題とソーシャル活動を言い訳に、そこまでの自学自習ができていません。同級生とのチャットについては、いちいち翻訳をかけたりはしませんが、チャットなので文法が砕けていても、伝わればOKの世界です。また、仮に文章が間違っていたり適切ではない表現を使ってしまったとしても、FBを受けるわけではないので、成長する機会にはつながりません。

Speaking (☆)
スピーキングが思うように伸びていないのが正直一番焦っています。むしろ能力的には落ちたのではないかともさえ思っています。日本にいたときのスピーキング勉強といえば、IELTSの試験対策、そして面接対策であり、きちんとした文章を正確かつ丁寧に伝えるというものでした。しかし、現地にきてみると会話のスピード感についていくことが最優先ですし、面接などとは異なり、事前に何となく言いたいことを頭でまとめておくのが不可能です。その場で思いついた自分の言いたいことを、会話のスピード感を崩さずに相手に伝える必要がある場合、IELTSのスピーキングが7.0だった私の能力では、きれいな文章をいうことは不可能であり、つまるところ、とにかく単語を並べて伝わればOKというスタンスになってしまいました。会話自体はそれで乗り切れることが多いですが、スピーキング能力はどうかというと……クエスチョンマークがつきます。

英語の悩み

英語の悩み英語を話すことへの抵抗感
よく海外留学の成果として、英語力の向上はさておき、英語を話すことへの抵抗感がなくなるという話を耳にしますが、私の場合、それはまだ起きていません。英語で発言する際のストレスはかなりありますし、心のどこかに常に英語に対する不安とストレスを抱えて過ごしています。せっかく同級生と楽しく遊んでいても、言いたいことのすべてを伝えられないモヤモヤもあります。また、クラスメイトの中では明らかに私が英語力の面で最低レベルであり、むしろ英語に対するコンプレックスは渡米前よりも増した気さえします。この抵抗感はいつなくなるのでしょうか。

英語の調子
これは私自身、何が影響しているかわかりませんが、一週間の中で英語の調子がいい日(言いたいことがいつもよりスラスラ英語で出てきやすい、発音がいつもよりきれいに言える)と、逆に全然英語が出てこない日があり、自分の英語力にばらつきがあるのを感じています。私の場合、週末に遊びに行って、月曜日の授業に参加すると、脳がまだ英語モードになっていないのか、英語を話しても噛み噛みになることが多いです。火曜日になると少しマシになり、金曜日になると、ようやく自分の英語がスムーズに出てきやすくなります。結局は英語を使う機会をいかに多くするかだと思うので、これは地道に続けるしかないですね。

渡米後の英語の勉強

インプット

渡米後も継続している勉強として、単語のインプットがあります。本当は日常で出てきた単語や、文章を読んでいてわからなかった単語をまとめるのが理想ですが、怠惰な私はそのようなノート作りを継続できませんでした。代わりにAtsueigoさんの「Distinction」という単語帳を使用しています。レベル感としては、MBA受験でTOEFLやIELTS対策をしっかりされていた方であれば、ほとんどの単語は知っているのではと思いますが、私がIELTSを卒業してからすでに1年が経過しているので、良いリハビリになっています。

リスニング

リスニングに関しては「もごもごバスター」という、MBA生界隈でも有名な教材に課金しました。これはきれいな英語のリスニングというよりは、ネイティブ同士が日常会話で使う省略やリンキングがふんだんに使われている英語の文章をどうやってリスニングしていくかに焦点を当てた教材です。やってみると正直かなり難しいのですが、「そうそう、こういうのが練習したかったんだよ!」という、かゆいところに手が届く教材です。私がこれまで出会った教材の中で、同じような焦点でリスニングの練習ができるものは他に知りませんので、かなりおすすめです。

発音

発音にもかなり苦戦しています。日本にいるときは、純ジャパにしては発音がきれいだね、と言われるレベルでしたが、上述の通り会話スピードが上がると途端に発音がめちゃくちゃになってしまいます。私は「ELSA」というアプリで発音向上を図っていますが、始めてからまだ1週間なので効果はまだわかりません。


最後に

最後に、これから留学される方へのアドバイスです。留学決定後も、できるだけ日本で英語の勉強を続けておいた方が良いです。TOEFLやIELTSで目標の点数を達成し、留学先が決まると、開放感から勉強をしばらく休憩したくなるかもしれませんが、我慢して何とか勉強を継続してください。そこでの頑張りが、留学生活をより充実したものにしてくれると思います。また、日本でできることは限られている、と思わずに、ぜひいろいろな勉強方法を調べてみてください。今の時代、非常に多くの質の高い教材が世の中にあります。オンライン英会話を使えば、日本にいながら外国人と英語を話す機会を簡単に得られますし、AIツールを使えば一人でも無限に英会話の練習ができます。渡航日の最後の最後まで、自分の英語力を1ミリでも向上させようという気概を持って、勉強を頑張っていきましょう!

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